【読書感想】沙門空海 唐の国にて鬼と宴す 読了

 ご挨拶もほどほどにまず言わせてください。

 

面白かった。

 

あの、こう、夢枕先生の本が面白くないわけないんですよ。わかってたんです。

陰陽師も死ぬほど面白いし分かってたんです。でも本当に、本当に面白かった。

 

 

私が買ったのは、上のカバーのやつ(映画版カバーではないやつです)でした。

 最初は「おぉ、コレ映画化するんだ!しかもカバー好み!うわ夢枕先生だ!」という完全ジャケ買いだったんですが、もうたまりませんでした。

 

映画版「空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎」がちょうどその時中国で公開されていて、日本はまだなのかーとちょっとがっかりしてました。

それで、読み始めたらですね、いやぁ……言葉にするのが難しいくらい、本当に美しい、大唐のきらびやかで、賑やかで、ごった返していて、それでいて全てを許容するような、そんな世界観が描かれていました。

 

私は序盤ひたすら「逸勢と空海いい!!なんかすごい!!いい漢だな逸勢!」って叫んでたんですけど、空海と同じ三筆に数えられる橘逸勢がとてもいい味を出してました。

陰陽師読んだ方なら分かっていただけるかと思いますが、「あの二人」の雰囲気バリバリです。好きな人はたまらないかも

 

スーパー倭国人こと空海(この時点では留学僧です)と、空海だいすき逸勢(本編だと空海に隠れがちですが、この方もすごい人)、そして時の天才詩人・白楽天楊貴妃の謎に――と、まあこの辺りは映画でも触れられているとおり。

映画版だと逸勢出ないらしいんですが……空海と白楽天の掛け合いはいいです。とてもいい。

 

序盤はずっと逸勢が逸勢がと言い続けた私でしたが、四巻構成の後ろ二冊、つまり三巻と四巻はひたすら伏線の回収や交錯する哀しい愛、そして絢爛豪華な世界観に飲まれっぱなしでした。

 

何年ぶり、本当に何年ぶりでしょう。

「この本を読み終えたくない。まだこの世界観に浸っていたい」と心底思いましたし、読後の余韻から抜け出すのが本当に大変でした。

実は、今もちょっと頭がぼんやりしてるくらい。

 

すごく哀しいです。

でもそれでいて、すごく美しいんです。

人間の業を、欲を、愛を、これでもかと見せつけられました。

 

どうしようもないくらいの欲に、そして愛に突き動かされる人間のパワーや、混沌とした美しさを、ここまでつきつけられるのは最早快感でしかありません。

読み終えて、物語のパワーに圧倒されます。そして私は、小説が書きたくなりました。

 

巻末で夢枕先生が仰っていたように、これは、大変な傑作です。

とても、これ以上なく幸福な読書体験でした。本当に、本当に面白かったです。

 

 

 

 

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